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ジョーカー JOKER は危険な映画?

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話題作であり、問題作。

はじめにお断りしておきますが、映画の感想をかくので、どんな感想としてもネタバレが含まれてしまいます。こう書いておいてなんですが、一部のシリーズものを除いては映画は余計な先入観を持たずに見るべきと考えています。この映画をこれから見に行きたいという人は、この映画こそ批評を見ないで劇場にいってほしい。

アメコミ映画テーマで異例の映画祭受賞。子供に見せてはいけないとか(そもそもR15)、アメリカで発砲事件があった近くに劇場では公開が延期されるなど、まさに話題作であり問題作。

このような作品の周辺の情報は知っていましたが、あらすじや批評は見ずに先入観なくみに行きました。

なんとも言えない重い憂鬱感

上映が終わっての最初の感想。

今作の公開に合わせて、先日テレビで久しぶりに「ダークナイト」を見ました。ヒースレジャーの演じるジョーカーも不気味で残虐。久しぶりに見ても存在感たっぷりな悪役ジョーカーでした。演技も見事でした。

今回のジョーカーはこれまで誰が演じたジョーカーとは全く比較できないジョーカーです。そもそも本作はバットマンに出てくるJOKERやゴッサムシティを借りた別の世界の作品と感じます。スピンオフという位置づけでもないところにある映画。

そのことにおいては「バットマン」を知らなくても十分に楽しめる映画です。

憂鬱感と書いておきながら楽しめる。映画としてとても練られた構成だと思うからです。

色々なところが足りない

主人公におこる不幸の描写、その全ての伏線が回収される場面やセリフ、周辺の人物像色々なところがこちらに伝わるけど、少しずつ足りない。

最後のオチも含めて、観客の想像や解釈に委ねる要素が全編に渡っています。主人公の危うさと映画全体の危うい雰囲気。強引な設定など映画によってはそのことがご都合主義や、安っぽさに繋がることも、上手に映画のパッケージにしている。脚本と監督の思う壺。まんまと引き込まれていきます。

誰もが抱える闇なのか?

肝心な本作のメインテーマに対しては、いまいちピンとこない。アメリカ社会の闇を映し出す問題作、格差社会と貧困と差別とふつふつとした抑圧感?日本人でよかったというべきなのか、何かもう一つ共感はできない。

善良な若者が、次々におこる不幸にようって、少しのことが引き金で悪になる。

コミニュケーション下手だったり、職場でうまく馴染めなかったり、ここぞという時に失敗したり、確かに誰でもが共感できる部分もあるかもしれないが、(出生の不幸が大きな引き金だと思うが)それが社会を恨み、暴徒のカリスマになるかというとちょっと共感が弱い。作品の背景、主人公の感情は理解はできる、映画としてよくできているし、何より主演含め、各演者の演技がすごい。

理解はできるが共感はできない。

この作品は「タクシードライバー」のオマージュだと批評されることもある。デニーロの名作で今作にもデニーロが出演していることからよりその色を感じるのかもしれないが、私は別物だと思う。

繰り返しになるが、映画としては満足感は得られる。

暗くて、重たくて、演出も、音楽もずっと鬱演出。

アベンジャーズのような映画の対極にあるDC映画ですが、私はおすすめです。